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京女について

作者:SAM日本チャプター会員 伊藤芳康

まず京都といいますと、一説には「ペンと袈裟と白足袋」の町といわれます。「ペン」とは学生を意味し、「袈裟」は文字通りお坊さん、そして「白足袋」は花街の芸舞妓を指します。京都はお寺に関しては言わずもがな、主要な仏教本山が集中しています。そして、花街も祇園甲部・祇園東・宮川町・先斗町・上七軒と都合五つあります。さらに、大学が数多くあり、学生の町として有名です。この度は、その中の女子学生について一筆啓上します。

京都に関する数多い出版物の中で『京女の嘘』というタイトルに惹かれました。著者は井上章一氏で、京都大学工学部建築学科を卒業、同大学院を修了し、現在は国際日本文化研究センター教授という生粋の京都生まれ京都育ちです。最近、NHKBSにて「行けずな京都旅」という番組にも時々登場されます。でも井上教授に言わせますと生まれた嵐山・嵯峨野は京都ではないと主張し、『京都ぎらい』という本を書いてベストセラーになっています。この『京女の嘘』は京都シリーズの第二弾です。それでは、その内容について以下に紹介します。

京都の京という字と女と書いて通常は「きょうおんな」といいます。「きょうおんな」という言葉と意味は全国で通用します。しかし、これをすべて音読みで「きょうじょ」と発音すると途端に「きょうおんな」とは別の意味になってしまいます。「きょうじょ」と発音した途端に京都女子大学の女子学生を意味することになります。京都駅を北へ少し行くと最初に現れる東西に延びる大通りの七条通りを東方面へ行くと、東大路に出ます。その北側にある妙法院門跡と南側にある智積院に挟まれた東山三十六峰の一つである阿弥陀峰へ登る坂道があります。これが地元で有名な「女坂」と呼ばれている坂道です。この坂道を少し上ると左手にあるのが京都女子大学です。そしてそのまま坂道を上ると豊臣秀吉の墓所である豊国廟が鎮座する阿弥陀峰の山頂へと行きつきます。

京都の地元では同様に、「同女」=「どうじょ」というと同志社女子大学を指し、「ダム女」といえばノートルダム女子大学を指します。そして、この本では『京女は3B』、『同女・ダム女は3K』と呼ばれていると記しています。『3B』とは「不細工、貧乏、仏教」なのだそうです。なぜ仏教かというと京都女子大学は浄土真宗本願寺派の女子大だからです。『3K』とは「可愛い、金持ち、キリスト教」です。同志社女子大学は新島襄が創立者のプロテスタント系でノートルダム女子大学はカトリック系です。

本当に京女は不細工で、同女は可愛いのか。主観的な好みはあるとしても、客観的に「美」を検証することはとても難しいのです。それをこの本ではやろうとしているのです。どのようにやっているのか。それは「JJ」と「CanCam」と「ViVi」と「Ray」に掲載された読者モデルの数で客観的に決めるというものです。

統計上、京女が最も多くの読者モデルを輩出したのが2005年の4名だそうです。この時の同女は12名で京女の四倍になっているというのです。これで客観的に不細工と可愛いが証明されるのかと思いきや、とんでもない事だったのです。

この年のトップは青山学院で実に795名なのです。2位が立教で495名と圧倒的な多さなのです。このレベルに比べたら同女も京女も「どんぐりの背比べ」のレベルなのです。それでは、首都圏だから有利なのではという疑問に対しても、同年に神戸松蔭女子学院が276名、甲南女子大学が195名、神戸女学院が194名なのです。それから2002年から2004年までは神戸女学院が青山を抜いてトップだったそうです。

結局、どうやっても不細工か可愛いかの客観的判断はつかなかったという頼りない結果だったというのが、この本の「オチ」でした。ただいずれにしましても、日本三大美人というのは京都美人と秋田美人と博多美人だと言われているのは確かですね。

以上

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