歴史上の諸宗教は人間における罪悪の問題とその赦しや救いについて深い考察を重ねてきました。
激動のローマ帝国時代を生き、キリスト教思想の根幹を形作った神学者アウグスティヌスもその一人です。彼は自らの経験の中で葛藤しながら「なぜ人間は悪を行ってしまうのか」そして「そこから人間はいかにして救われるのか」を生涯考え続けました。そこで彼は人間の自力の限界と神の愛の絶対的必要性を強調しましたが、そうした他力の思想はキリスト教の枠を超えて、仏教者である親鸞のような人物とも共有するものです。
今回はそうしたアウグスティヌスの思想にふれることを通して人間理解を深めていく場にしていきたいと思います。