2025 年SAM 日本チャプター会長方針

 2025 年、SAM 日本チャプターは、創立100 周年を迎えることができました。
 フレデリック・W・テイラーの業績を祈念するためにアメリカで多くの弟子たちが、1915 年に「テイラー協会」を設立しました。テイラーの考えは当時のアメリカ産業に浸透しており、ブームになっていたようです。1936 年には、現在の名称であるSAM(Society for Advancement of Management)へ変更しています。アメリカでは、テイラーの理念を受け継ぎ、ガントやギルブレスなど弟子たちがその手段を独自に発展させて、今日に至っています。
 1910 年ごろから日本では、高等教育機関での講座開設や専門機関による諸雑誌などの発行によって、科学的管理法に関する知識の普及が図られました。特に、日本産業能率研究所長の上野陽一先生の働きかけで、1925 年に「テイラー協会日本支部」を設立しました。1924 年の文部省調査では、東京帝国大学、東京商科大学、慶応義塾大学、明治大学、法政大学、名古屋商工、横浜高工、桐生商工、広島商工など15校でテイラーの科学的管理法に関する講座を設けています。当時の日本の産業は、工業化が軌道に乗り始め、1925 年の産業能率研究の調査では、倉敷紡績、鐘淵紡
績、日清紡などの繊維、紡織などから、日立製作所、新潟鉄工所、豊田式織機などの機械製造、三菱造船などの船舶、楽器製造の鈴木バイオリン、陶磁器製造の日本陶器、食品・醸造のカルピス、丸紅商店などから、造幣局、陸海空軍省から鉄道省の官庁まで、幅広く科学的管理法を取り入れていました。
 今年、SAM日本チャプターは創立100 周年を迎え、記念事業として、慶応義塾大学の渡部直樹名誉教授による『今こそ Taylor!』を出版します。次に2025 年10月17 日に記念講演会と交流会を名古屋で開催します。そしてSAM 日本チャプター創立100 周年の総括として、全会員による『100 周年記念誌』を発行いたします。
 この一年、会員の皆様には、多大なるご支援、ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

2025 年SAM 日本チャプター事業方針

1.100 周年事業 科学的管理法の理念・哲学を理解し、手法を研究する
2.100 周年事業 出版本、記念誌、記念講演会・交流会を企画運営する
3.100周年に相応しい例会を開催する。HPを活用して情報発信を活性化する
4.会員を増強する。(次世代メンバーの入会を促進)

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